Altium Designer と外部データベースとの連携

* 旧サイトからの転載・加筆

ERP や MRP といった基幹システムが構築された開発・設計現場では Altium Designer とその基幹システムとの連携が要求されます。そこでこれを、「機能の連携」と「データの連携」の双方から見てみたいと思います。

まず、CAD と基幹システムを連携させる場合には、相互に機能をアクセスできることが必要です。例えば相手のシステムを制御するためのコマンドを発行したり、また相互の通信に必要な複雑な手続きを自動化するといったことが不可欠です。Altium Designer ではこの「機能の連携」を、洗練されたカスタマイズ機能によって実現することができます。

また双方の連携によるドキュメントやライブラリ管理の一元化には、ファイルの受け渡しやデータベーステーブルの参照によるデータの交換が必要になります。このような「データの連携」を可能にするために Altium Designer では使用頻度の高い、標準的なデータフォーマットでの読み書きを、広範囲にサポートしています。

加えて、Altium Designer には、外部データベースとの高度な連携機能が備えられており、データベースリンク機能とデータベースライブラリの機能により、MRP/ERPの管理下にある外部データベースのテーブルからデータをダイナミックに取得することができます。

例えば、工場を持つ事業所では ERP/MRP などの購買管理システムが稼働しており、その部品データベースには、品名/品番だけでなく、メーカ名、セカンドソースの品名、価格、発注単位、梱包単位、在庫数などの豊富なデータが含まれています。そしてこれらのデータは日々刻々と更新されていきます。

Altium Designer では、これらの部品データを CAD 部品の属性として取り込み、回路の設計およびその結果として出力される、パーツリストなどのドキュメントに反映することができます。そして、Altium Designer は 2 種類の方法でこのデータベースとの連携をサポートしていおり、その一つがデータベースリンク機能であり、もう一つが、データベースライブラリ機能です。

この、データベースリンクは、外部データベースのテーブルにダイナミックにリンクし、リンクフィールドの値が一致したレコードの属性を CAD 部品の属性として取り込む機能です。いわゆるリレーショナルデータベースで言うところの、キーフィールドの設定によるテーブルの連結です。そして、もう一つのデータベースライブラリ機能は、Altium Designer のCAD 部品ライブラリ自体を外部データベース上に構築するものです。

両方とも同じ目的で用意された機能ですが、データベースライブラリの場合には、データベースライブラリから直接部品を呼び出して配置することができます。さらにデータベースライブラリの場合には、外部データベースによる包括的な CAD 部品の管理が可能になりますので、CAD 部品管理の主体を設計者からデータベース管理者に移管する場合には好都合なのではないかと思います。

これらのデータベース連携機能については、以下のドキュメントで紹介されていますのでご覧ください。

コンポーネントを会社のデータベースへリンク
コンポーネント データベースからの直接使用

1,044 total views, 1 views today