Update PCB とコンポーネント ユニークID

Update PCB を実行した時、 PCB 上に配置済みの部品が移動してしまう場合があります。古い回路図を再利用した場合に起こりやすい現象であり、このような場合はたいてい、[ツール] >> 変換 >> コンポーネントユニーク ID のリセットを実行する事により解決します。

uniqueid

Altium Designer では、回路図とPCB とのリンクに それぞれの部品に与えられた固有の ID を利用しています。何かの拍子にこの ID が壊れると、回路図と PCB との間のデータの照合ができなくなり、部品が動いてしまったり欠落したりします。そこでこの ID を再構築するための手段としてこの、「コンポーネント ID のリセット」コマンドが用意されています。

回路シミュレータや伝送線路シミュレータとのリンクにも、このコンポーネント ID を利用していますので、この ID が壊れるとシミュレーションも実行できません。また Protel 98 以前のツールで作成された回路図には、コンポーネント ID が含まれていませんので、古い回路図を再利用する場合には特に注意が必要です。

Protel 旧製品が普及し始めた頃の初期 の CAD 設計では、回路図と PCB とをリファレンスデジグネータで関連付けるだけで事足りました。しかしその後アナログ/デジタル混在回路シミュレータや、伝送線路シミュレータ等、一つの CADツールにこれらの多くの機能が統合されるようになり、これらとの緊密なデータの連携の為にコンポーネント ユニーク ID(Unique ID)用いられるようになりました。

このコンポーネント ID は、回路図作成時に自動的に付加されますので、新規に回路図を作成する場合には設計者がこの存在を意識する必要はありません。しかし、Protel 98 またはそれ以前の回路図エディタで作成された回路図読み込んで使用する場合には、この属性が含まれていませんので、この「コンポーネントユニーク ID のリセット」コマンドで再構築することが必要になります。

また、伝送線路シミュレーションを行う場合には、[ プロジェクト ] >>コンポーネントリンク コマンドを起動して、回路図とPCBとの間で部品データをリンクさせることが必要です。この場合にもコンポーネント ユニーク ID が利用されますので、これが無い古い Protel や他のツールで作成した回路図を利用する場合には、事前に「コンポーネントユニーク ID のリセット」コマンドで 再構築しておくことが必要です。

コンポーネント ID は上記以外にも利用されますので、古い回路図や他のツールで作成した回路図を再利用する場合には、忘れずこのコマンドを実行する事が必要です。

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