Altium Designer 15 では Gerber Version 2(Gerber X2)とIPC-2581ファーマットが新たにサポートされました。従来から Altium Designer では多くの入出フオーマットがサポートされており、Gerber フォーマットの種類も豊富ですので、ここで一度簡単に紹介したいと思います。
そこでまず、ウィキペディアの ガーバーフォーマット をご覧ください。 Gerber には RS-274X に対して層属性その他が追加・拡張された多くの類似フォーマットのものが存在します。このページの 代替 の項にはそのバリエーションが紹介されていますが「ほとんど使われていない」という表記が目立ち、ファイルを渡す側と受け取る側の双方から広範囲に支持されることの難しさが伺えます。
なお余談になりますが、このページに載せられている Gerber データのプリントイメージは、ファイルの拡張子を見る限り Altium Designer から出力したもののようです。
このページで紹介されているフォーマットのうち Altium Designer の PCB エディターでは RS-274-D、RS-274X、Gerber X2、IPC-2581、ODB++ がサポートされています。またこれらのうち RS-274-D と RS-274X はどのメーカーも例外なくサポートしており、業界標準フォーマットとして利用されていますが、他のものについては以下のような況です。
Gerber X2
Gerber 社を買収し そのポジションを引き継いだ Ucamco 社が開発した次世代の GerBer フォーマットです。すでに多くの関連企業からの支持を得ているようです。 このメーカーのサイトのダウンロードページからは、Gerber X2 やRS-274/RS-274X のリファレンスを入手することができます。
IPC-2581
Valor 社の ODB++ と GenCAM の IPC 2511B を一体化したフォマットで主に ODB++ からの移行を狙ったフォーマットのようです。Web 上の掲示板などでも ODB++ に対するメリットについてのユーザの書き込みが数多くあり、ODB ++ からの移行のきざしが見られます。
ODB++
Valor 社が開発したフォーマットであり、層属性を持つ新世代のフォーマットの中では最も普及しています。このフォーマットについては、以下で詳しく解説されていますのでご覧ください。
・ プリント基板のGerberフォーマットがなくなる!? (1)
・ プリント基板のGerberフォーマットがなくなる!? (2)
・ プリント基板のGerberフォーマットがなくなる!? (3)
以上、ざっと見渡してみましたが今のところ RS-274-D/RS-274X 程に定着したフォーマットはありません。そこで Gerber X2 と IPC-2581 がそのポジションを狙って登場し、Altium もそれをしっかりサポートしているという構図が見て取れます。
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